新型コロナウィルスの今後、再感染や本当の致死率について考察してみる

2020年5月現在、緊急事態宣言は延長され、まだ先が見えない新型コロナウィルス。その性質自体、まだ全容を掴みきれていないのが現状だと思いますが、なるべくわかりやすく、なるべく俯瞰して、公開されているデータを元に考察してみたいと思います。

「以前と同じような生活には、感染力を抑止するワクチンが完成しない限り戻らない」のではないか

『感染しないようにする』という考え方自体が最善策ではない
いろいろと調べているうちに、このように考えるに至りました。

もちろん、だからといって「以前と同じように外出したり人と接して良い」と考えているわけではありません。専門家ではないですが、個人的にいろいろと調べてみた結果、「以前と同じような生活には、感染力を抑止するワクチンが完成しない限り戻らない」のではないか、と考えています。

以下、調べたことを随時更新したいと思います。

感染力が尋常ではない

これは当初から言われていて周知のとおりですが、本当にどれほどの感染力なのか、具体的にわかりますでしょうか。

アメリカの例で、WIREDにこのように書かれていました。

例えば、3月16日時点の米国の感染者数は約4,000人だった。「全人口に比べたら大したことないじゃないか。なぜそんなに大騒ぎしているんだ」と思う人もいるかもしれない。感染者は18日には約8,000人になった。しかし、これは2日間ごとに4,000人が新たに感染するという意味ではない。直線的な思考ではそういう結論になるかもしれないが、現実ははるかに厳しいのだ。

感染の伸びは右肩上がりになっている。感染者数の推移のグラフを見れば、カーヴがどんどん急になっていく様子がわかるだろう。指数関数では大きな数に到達するまでに時間はかからない。

ここで注目すべきは伸び率だ。この場合、16日から18日の2日間で100パーセント増加しているので、20日には新規感染者数は16,000人に増えることになる[編註:実際に20日の正午時点で16.605人となり、さらに2日後の22日には32,644人に達した]。

参考:https://wired.jp/2020/03/30/how-fast-does-a-virus-spread/

初期段階、つまり感染者がいない状態から意識せず増え続ける感染者の数は、概ね倍々で増える、というのが実際に起きた事例です。以下の有名なたとえ話を考えるとわかりやすい。

まず、指数関数的な増加について理解するために、有名なたとえ話をしておこう。小遣いを増やしたいと思った女の子が、両親にある提案をする。1セントから始まって、毎日、前日の倍の額を欲しいというのだ。つまり、2日目は2セント、3日目は4セントをもらう。大したことはないと思うだろうか。30日目には、小遣いの額は1,000万ドル(約10億9,400万円)を超える。

参考:https://wired.jp/2020/03/30/how-fast-does-a-virus-spread/

本当の致死率は?

新型コロナウィルスの致死率は様々な意見がありますが、2%程度という認識が広まっている気がします。

しかし、日本でも知られている通り、新型コロナウィルスは「極めて軽症もしくは無症状」といった自覚症状の無い感染者も多く、これらの感染者も含めた検証として、特定の地域で無作為に被験者を選ぶ、抗体検査の実施が進んでいます。

その抗体検査の実例として以下のような内容がありました。

約19,000人の犠牲者を出しているニューヨーク市だけをみると、実に4人に1人、約24.7パーセントもの人々が抗体検査で陽性だった。
~中略~
このデータを州全体に適用すると、ニューヨーク州におけるCOVID-19の死亡率は約0.6パーセントほどになる。これは米国における致死率5.8パーセント(ジョンズ・ホプキンス大学調べ)をはるかに下回る数字だ。

参考:https://wired.jp/2020/05/05/covid-19-antibodies/

恐ろしい勢いで感染が拡がったアメリカ、その中でもニューヨーク市だけをみると、4人に1人は感染している状態だという可能性があり、その場合、新型コロナウィルスによる死亡率は0.6%になるそうです。

新型コロナウィルスの比較対象としてよく出される「SARS」の致死率が10%以上ということを考えると、新型コロナウィルスの脅威は致死率ではなく感染力だと思えてきます。

新型コロナウィルスで死亡した人の年代別の割合は?

これが調べてみても意外と情報が少なかったのですが、以下に2020年2月26日までの中国での感染者に関する情報を元にした資料があり、P19に「中国で診断された44672例の年齢分布と死亡率」がありました。

参考:http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/corona_mizugiwa0228.pdf

これを参考とすると、死亡者数1023のうち、約94%が50歳以上、49歳未満の死亡者の割合は6%という結果になっています。49歳未満の死亡者の中に一定数の基礎疾患を持つ人がいたとすると、健全な49歳未満の死亡率は「全感染者のうちの0.6%、そのうちの6%未満」となる可能性があると思います。

新型コロナウィルスは再感染するのか

インターネットで国内の記事を見てみると「一度感染すれば抗体が出来るので再感染はしない」ということを言われている医療関係の方を見かけたりしましたが、新型コロナウィルスに関しては、以下のような実例がありました。

しかし、感染者のほぼ全員から何らかの抗体が検出できるだろうが、そのすべてが同じではない。新型コロナウイルスを標的にし、他の細胞への感染を防ぐ抗体を中和抗体という。中国でCOVID-19から回復した175人を対象にした研究では、この中和抗体のレベルが非常に低い人が30%に上った。

参考:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-52451012

先述のWIREDの記事にも以下のように書かれています。

「抗体がある=免疫獲得」ではなく、それには「中和抗体」と呼ばれるSARS-CoV-2に特化した抗体とその量をみる必要がある。

参考:https://wired.jp/2020/05/05/covid-19-antibodies/

これらの情報から、新型コロナウィルスから回復しても、約30%の人は中和抗体のレベルが非常に低い=再感染する可能性がある、という事になります。

検査について

まず話題になっているPCR検査について、陽性かどうかは確認できますが、罹患して回復した「元患者」は同定できないそうです。もちろん再感染の可能性にかかわる「中和抗体」の有無もわかりません。

PCR検査では、既に回復した元患者は同定できない。

参考:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202005/565382.html

そのため、検査としては「抗体検査」が重要になってきます。

まとめ

上記のように情報を調べていると、冒頭で書いたように『感染しないようにする』という考え方自体が最善策ではないなと考えるに至りました。重要なポイントは「感染者数」ではなく「本当の致死率」「年齢別の致死率」「再感染力」、そして最重要なのはもちろん「ワクチンの完成」です

感染者数の増加数が抑えられているのは「外出自粛」があるからこそで、ウィルスの増加力と再感染の可能性を考慮すると、生活を元に戻すことで、またすぐに感染が拡がる可能性が高い。

 

しかし外出自粛を続けていると、経済が滞り、経営破綻に追い込まれる中小企業が増かする=自殺者数も増加する恐れがある。

 
この「経済低迷」「自殺者増」に繋がる状況がいつまで続くのか先が見えない現状を考慮すると、感染の恐れはあるが、「致死率」の低い「49歳未満」のみで、外出や飲食店の運営を許可したりすることで、守れる命の方が大きいのではないかと思います。もちろん、これらの人が50歳以上の人と同居していたりすると危険なので、簡単には実施できないのかと思いますが。

何より、早く終息して気兼ねなく生活できる日々に戻ってほしいと切に願います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA